脳を鍛えると人の話を聴く能力が向上するのか?④
前回からの続きです。
わたしのカウンセリングの師、松本先生の教えは
・心で感じ取ること
・自分(聴き手)の想いをゼロにすること
・最後に一言だけ、感じ取ったものの中心を相手に伝えること
聴き手が言葉にして伝えるのは、最後に一言だけです。話を聞きながら、ああしろこうしろとアドバイスするのはもっての他です。
わたしは分かっていたつもりでも、相手が話し易い人だとついつい自分の考えを押し付けていました。
わたしはその後、話を聴く時はとにかく「聴く事」に集中しました。それでも当初は聴いている途中に、自分の考えが頭に浮かんできました。
言いたくなることをぐっとこらえると、脳がとても辛かったです。言いたい気持ちと、それを抑える気持ちが頭の中で戦っているようでした。
そういう状態がしばらく続きました。するとどうでしょう、ああすればいいのに、こうすればいいのにという考えが頭に浮かんでこなくなりました。
脳が真摯に聴く事に慣れてきたのです
これが松本先生が常々おっしゃている、傾聴に一番必要なのは”訓練”だということを身をもって知った時でした。側頭葉(聴く脳の部位)が鍛えられてきたのです。
その後も、聴いてて脳が悲鳴をあげだすと
「今、自分の脳を鍛えている、鍛えている、鍛えている」
と心の中でつぶやきました。そうすると、次に同じような話を聴いても脳が悲鳴をあげなくなるのです。
聴く脳の部位(側頭葉)を鍛えていると意識して聴くと、真摯に聴く事に集中できる脳になっていく
松本先生の教えを身をもって知ることができました。脳も筋肉と一緒です。意識して鍛えれば鍛えるほど、確実にその部位が強くなっていきます。これが脳の可塑性です。
わたしはカウンセラーなので、聴く脳を鍛え続けるのは当然です。しかし、もし傾聴を日常生活で活用したいと思うなら
「わたしは今、側頭葉(聴く脳の部位)を鍛えているんだ」
と意識して話を聴いてみてはいかがでしょうか?
最初は自分の考えが頭に浮かんで言いたくなりますが、脳が鍛えられれば、きっと真摯に聴く事に集中できるようになっていきますので。
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