脳の神経回路の可塑が起きたと思われるワークショップ体験⑥(最終話)

前回からの続きです。

昼食を取り、いよいよワークショップ最後の2時間セッションに臨みました。脳はもうヘロヘロで「どうか無事にすみますように」っと、願っていたと思います。

そんな私の願いも虚しく、やはりあの男の子が話し出しました。わたしは目を閉じ、ただただ時間が過ぎるのを待ちました。

もう傾聴しようなんて微塵も考えませんでした。それだけ辛かったです。

そしたらなんと、1時間くらいで男の子の話は終わりました。数時間、延々と話していたので1時間で終わると短く思えるから不思議です。

その後、誰も話す人がいなかったので松本先生が

「では、私の左隣の人から順番に話してください」

と言って、各々がワークショップに参加しての感想を話していきました。そして、私の番が来ました。

「本当に辛かったです。開始して直ぐに聴けていない自分が分かりました。大変な人は本当に辛そうで、そういう話も聴けるようになって初めて”傾聴”ということを学びました。

特に2日目は昼食後、逃げ帰ろうと思いましたが、それでは修了証をもらえないことに気が付いて、午後も残りました。

自分でカウンセリングを勉強してきましたが、カールロジャース先生の来談者中心療法の凄さを身をもって知りました。

ありがとうございました」

こういう話をしたと思います。その後も参加者が順番に話していき全員話し終わりました。そしたら松本先生が開口一番

「彼は実に正直で良かった」

っと、私を指さして言ってくれました。50人位いた参加者の中で私を褒めてくれたのです。脳はヘロヘロでしたが、メチャクチャ嬉しかったです。

包み隠さず、ありのままの気持ちを正直に言ったのが松本先生に伝わったのです。

松本先生は、とにかく正直な人が好きみたいです。とりつくろったり、知ったかぶりしたり、少しでも偉そうなことを言おうものなら雷がおちることもしばしば。

話を戻して、ワークショップ終了後、修了証をもらいそのまま解散です。手洗いにいたら私の横に男性参加者が来て

「松本先生に褒められたじゃん」

と、言ってくれました。内心喜んで

「正直な気持ちを言っただけなんですけどね」

と、答えました。

ワークショップ終了後、会場を替えてカウンセリング講座もあったのですが、講座を受ける余力は既にありませんでした。車に飛び乗って、逃げるように帰りました。

このワークショップは私のカウンセリング人生の中で、最大の衝撃でした。この日を境に、私のカウンセリング人生は変わりました。

本物を身をもって知った、体験した!

という感じです。これだけ脳に衝撃が走ればきっと、脳の可塑性が働いて、新しい傾聴の神経回路ができたと思います。まさしくカウンセリング人生が一変した二日間でした。

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